2019年5月3日金曜日

ゲームを作って24年目 前編


※この内容は2015年にYoutubeで公開したものを文字に起こし編集したものです。


ゲームとは何か?



「パソコンがあればゲームが作れるらしいぞ?」

物心つく前に家にファミコンがありました。
まだ4、5歳の朝に迷宮組曲をプレイしてた覚えがあります。

楽しいとか難しい以前に自分が何をやらされているのかわからなかった、
ただ、私のような子供が遊ぶものではあるのだなと思い、
頑張って理解しようとコントローラーを操作するのです。

それから数年経つとゲームの遊び方も理解し、いろんなゲームが欲しくなります。
貸しあったり、友人の家に遊びにいっては自分の所持していないゲームに驚くわけです。
その中でも最も興味のあるゲームジャンルがRPGでした。

主人公に自分を投影し、仲間や武具を管理(マネジメント)して
敵を倒すというものです。

私はゲームは大好きでしたがゲームは決して上手くはなく、
遊んでも毎回やられて終わるという構図に飽きや諦めのようなものが
湧き出ることに嫌気が指していましたが、RPGは時間をかければどんなに下手でも
クリアできるシステムにドハマりしました。



プログラム画面に絶望する



物心ついてからもゲームを遊び、ハマっていきました。するとどうして絵が
アニメーションして動けるんだろう?なぜ楽器がないのにTVから音楽が流れるのだろうと
疑問が生まれました。

調べていくうちにゲームはパソコンから出来ていてプログラムというもので
作られている事がわかりました。

友人のひとりがゲームが作れるということがわかると
私はその友人宅に頻繁に立ち入るようになりました。

友人が使っていたのはMSXというプログラム兼ゲームのできる家庭用のパソコンでした。
私はゲームを作るところ見たいと友人に頼むとキーボードを使って青い画面の中に英数字が打ち込まれるのを見て「何だよ、この地味な作業!意味がわからん!」と思いました。

プログラムの意味を理解するつもりもなく、ただゲームが作りたいと思うまま
時間が過ぎて1995年に転機が訪れました。




パソコンを手に入れなければ!



・ゲームが作りたい!
・ゲームを作るにはパソコンが必要!
・プログラミングを学ぶつもりはない!

この3つのステップのうちただ漠然とゲームを作りたいということだけは
常にクリアしたまま、次の問題であるパソコンを手に入れる必要があります。

当時、安くても20万以上するものです。ビジネス用途に使われる事が多く、
子供が趣味で使うなど高級すぎるおもちゃです。

しかし、ビジネスマンである叔父が仕事用にとパソコンを手に入れ、
今度は叔父の家に入り浸ります。パソコンの様々な操作を教えてもらいながら
操作していくうちに益々興味を持ち、自分のパソコンがどうしても欲しくなりました。

親にねだって買ってもらえるわけがありませんが、ある日パソコンを譲ってもいいよ
という方がいると聞き遂に自分専用のパソコンが手に入ると聞いて、私は狂喜乱舞で衝動を抑えることができませんでした。

早く貰いに行こう!




いにしえのマシーン



その方は何かの研究員?教授?で昔からパソコンを使って仕事をしていたらしく、
古いものが余っているのでそれなら譲れるという事で私はその教授宅にお邪魔しました。

「これなんだけどね」と言って既に玄関に用意してあるパソコンを指さしました。

古いとは聞いていたけど、叔父のものとは随分違うなぁと思いながら、
教授はパソコンの電源ボタンを押して起動し・・・てくれましたが
私が思い描いたものとは全く異なり、私は唖然としました。

ものすっごい緑色のスクリーンなんです!

ファミコンでさえ56色の鮮やかなものなのに、そのパソコンに映る文字は緑色一色で
本当に古いパソコンだったのでした…。恐らく日本にはじめてパソコンが入ってきた頃の
初期のものだったかもしれません。

教授はこのパソコンについていろいろ説明してくれましたが、
こんなものでゲームが作れるはずがないと落胆した私はとにかく帰りたかった。

自分に扱えるとは思えないなどと理由を言って結局受け取らず教授宅をあとにしました。

本来であれば今頃家にパソコンがあり、いろいろいじくってる最中なのにと、
しばらくはあの緑色のスクリーンが頭から離れず、再び叔父の家に入り浸って
パソコンを触らせてもらう日が続きました。

叔父もそんな私が忍びなく見えたのか、これからパソコンの時代が来るし
今から触れさせておくことも勉強になるのでは。とひと押ししてくれた事もあって
パソコンを買ってくれる事になりました。

次回に続きます。