2019年5月15日水曜日

ゲームを作って24年目 中編





RPGツクールとすれ違う


ちょっと遠い場所にパソコンショップが一件だけあり、
新品も中古も扱っているという店でした。

店員さんにいろいろ相談し、結局中古のPC9821というWindws3.1が搭載されたものを
18万で買う事になり、店員さんが車に乗せてくれている最中に参考にならないかと
本棚を見ていました。
どれも専門用語を用いたタイトルで何を必要とすればいいのか
わからなかったので、特に注目することはありませんでした。

しかし、パソコンが積み終わり、私も乗車しようと思ったときに
ふとさっきの本棚を見ると「RPGツクー…」という文字が残像で見えました。

私はその時は気に留める事もなく家に帰りましたが、パソコンをセットして
いじくっていくうちに、ふとあれはRPGツクールというもので
文字通りRPGを作るソフトなのではと勝手に予測しました、

あれは何だったのか?日に日に気になりだし、
もう一度あのパソコンショップがへ行って確認したい!とも思いましたが
それが本扱いであれば近くの書店にもあるのではないかと、
自転車を走らせ書店に行ってみるとなんと!「RPGツクール」がありました。

自分の予測が当たっていた事に驚きつつ、その本を手にとって中身を見てみました、
そこには小難しいプログラミング画面もなく、見慣れたフィールドや戦闘画面が映し出されてあり
私はかつてないほど興奮しました。

RPGツクールの値段を見てみると5000円するものでした、
所持金だけでは到底足りず、パソコンを買ってもらったばかりで
これ以上ねだる事はさすがに親子関係に支障が出るのは明らかです。

プログラミングを学ぶ気のない=ゲームがつくれないステップ3を攻略するのに必要なものと思い、
とにかくお金を貯める事に専念するようになります。

そして塾帰りに書店へ寄り、RPGツクールを立ち読みする日々が続きました、
隈なく読んで思いを馳せる…それは私にとって至福の時間でした。



作ることができない


なんとかRPGツクールを買えるだけのお金が溜まり、急いで書店に向かいました。
遂に自分のものになると思い興奮していつもの場所へ向かいましたが
私の手垢がついてるはずのRPGツクールが見当たらないのです。

ないわけがないと、店員さんに確認したら売れて在庫はないという返答に落胆するわけですが、
予約すれば2週間後に届くと言われ更に落胆しました。

しかし、確実に手に入るならと予約をして帰りましたが、
手に入れる条件が揃っているのに買えない状況にもやもやが止まりません。

行くしかない!

最後の宛は最初に見たPCショップだけでした、私は母に車を出してもらうように頼み込み
ショップに向かい、RPGツクールを手に入れることができました。
その後、書店での予約はキャンセルし、いよいよゲームを作る環境が全て整いました。


作ったはずなのに!!


私が手に入れたRPGツクールDante98は新作ではなかったようで、
所持しているパソコンより何世代か前のパソコンに対応しているようでした。

それでも本に書いてある通りにインストールを進めて数字時間後には動くようになっていました。
それは私が思い描いていた通りのもので、マウスでマップをデザインし、片手でキーボードを
操作し村人のセリフを打っていく...

パソコンを使っている感覚やその作りやすさに感動しながら、思い思いに構成していきました。
この時に初めて時間を忘れて夢中になるという経験をしたと思います。
外は暗く飲食を忘れている事に気付きました。

翌日、前回の続きを始めようとすると、昨日まる一日作ったはずのデータが
なくなっている事に気付きました。保存されていない!

前日はパソコンを起動しっぱなしで気付きませんでしたが、保存しても電源を切ると
途中のデータを保存されていないのです!

私は焦り再度インストールしなおし、何度もテストしてみましたが保存されることはなく
落胆し、とうとうブチキレてしまいます。

もう壊れても構わないとMS-DOSの深い部分まで辿り着き、
むやみやたらに設定をいじくってしまい

とうとうWindows自体が起動しなくなってしまいました...
パソコンが壊れてしまった!


Wメテオ唱えてるみたい


パソコンを壊した事を正直に母に言うと、母も焦っているようでした。
母も家計簿的なもののソフトを使用していたので、入力したデータが全て消し飛んだからです。

このままではどうしようもないので、叔父に連絡し症状を見てもらうと
HDDをフォーマットし、Windowsを再度入れるしかないと言われ、
データの復旧は諦めました。

しかし、1時間経っても2時間経ってもパソコンは治りません。

今思えばパソコンが家庭に入ったばかりの時期に専門用語を用いて書かれている
マニュアルを容易に理解できるはずがなく
Windowsを通常に使っている叔父も初めての再インストールだったと思います。

作業は難航し、私も諦めかけていましたが、母が教授を呼ぼうと連絡してくれました。
苦々しい顔をして教授のプレゼントを蹴った私でしたが、
この時ばかりは教授にすがりざるを得ませんでした。

叔父がマニュアルを読み、教授が入力していく姿はとても格好よく
夜中になっても、作業は続き、遂にWindowsの再インストールを終え
正常に起動するようになりました。

私はバツの悪い顔しながらも感謝し叔父と教授を見送ろうとしたときに
RPGツクールも再インストールしておいたと告げられ、
パソコンに向かい確認してみると正常に保存され、読み込む事もできるようになっていました。

何をして正常に動くようになったのか不思議に思い興味を持ちましたが
(これが今後更なる破壊を生む)

今はRPGが作れる喜びを噛み締めていました。

後編へ続きます。